脳脊髄液減少症とは、脳脊髄液が“減少状態”になるために頭痛をはじめとする種々の症状が出現する疾患です。
厚生労働省研究班から以下の概念図の提案ありました。
【症状】
急性期の主症状は、起立性頭痛が最多で重要ですが、頚部痛、悪心、めまい、耳鳴、視覚異常などを伴うこともあります。
慢性化に伴い全身倦怠感をはじめとして種々の症状の訴えが多くなるようです。
なお、急性の強い起立性頭痛(数分間さえ座ることが出来ないほどの)は「低髄液圧症」の可能性が高く、速やかに臥床安静療法を開始すべきです。
慢性期症状として
①頭痛(起立性が主)、頚〜腰痛、四肢痛などの疼痛症状
②全身倦怠感、易疲労性
③めまい、耳鳴、視機能障害(視力低下、まぶしいなど)などの脳神経症状その他に顔面痛や違和感、咽頭違和感、顎関節症状、など
④動悸、息切れ、消化器症状(悪心、食思不振、下痢など)、体温調節異常などの自律神経症状
⑤注意力低下・記憶力低下、うつなどの高次脳機能症状
⑥その他:不眠、易感染性、内分泌症状など
上記の症状の中では、①②は程度の差はあっても通常、訴えとしてあり、どちらかがない場合は例外的です。また①②のいずれもない場合は否定的と考えます。
したがって①②に加えて③〜⑥のいくつかの症状を、連日性かつ長期間にわたって訴える病状が多いようです。ただし、外傷例や他病態を合併している場合には、このような症状が「脳脊髄液減少症」によらない場合もあります。
病状の特徴は、
1)起立・座位で悪化やすい
2)天候・気圧の変化の影響を受けやすい
3)水分摂取が症状緩和に有効
などがありますが、全ての症例に当てはまるわけではありません。